先輩の声

幅が広がると、仕事がおもしろくなってきた。後輩たちの成長を見守ることもそのひとつ。 鉄道電気部 滋賀事業所 2007年入社

京阪線から大津線の担当へ異動されたということですが、ふだんはどんな仕事を?

検査も工事も自分たちの手で。
だから世界がどんどん広がった。

鉄道電気部 滋賀事業所 2007年入社

私が今担当しているのは、大津線(京津線と石山坂本線、全長21.6km)になります。ここでは、京阪線なら京阪電鉄が担当している業務、たとえば変電、信号、電路など、線路に関わることも、すべて私たち京阪エンジニアリングサービスがカバーしています。
やることが多いので、昼間は信号の仕事をして、夜は変電の仕事とか、毎日違うことをやっている感じ。ルーティンワークではないので、刺激がありますね。

入社して5年間は、京阪線の通信設備の部署で働いていました。通信設備だけでも大変だと思っていたのに、こちらでは全部。はじめ聞いたときは「これを全部やるんや」と、とても驚きました。
最初は通信以外のことはぜんぜんわかりませんから、先輩についていって、ぜんぶ現場で教えてもらいました。

検査なら手順通りにすればいいだけなのですが、機器故障や不具合を直すには、それぞれバックボーンになる知識が必要です。一緒にいる先輩が「こうしようか」と導いてくれるので、「ああ、こういう時はここを見るもんなんやな」って。そうやって少しずつ知識を増やしていきました。

他にも、京阪線だと実際の施工は業者の方に発注するんですが、大津線では簡単なものなら自分たちで行います。やることが多い分、いろんな設備を知ることができるし、それをメンテナンスできるのもおもしろい。自分の世界がどんどん広がっていく感じで、毎日が楽しいんです。

今まで手がけたなかで、一番印象に残っているのはどんな仕事ですか?

夢中でとりくんだバリアフリー工事、終わった時は「よくやった、自分!」って。

まだ京阪線にいた頃、入社2~3年目の時に御殿山駅のバリアフリーの工事を任されました。
もちろん私一人でやったわけではなくて、チームでその工事を監督したんですが、そのなかでも私が中心になって工事を進めるというポジションで。
半年くらいかかったと思いますが、工事が無事完成したときはとてもうれしかったですね。

実は新しいものを作ることより、「今あるものを変更する」ことの方が難しい。今ある階段をスロープに変えたり、下りホームにしか改札がなかったのを上りにも作ったり。
そういうときは設備をよく調べて、「こうする時はこういう対処が必要」というのを全部先回りして考えておかないといけません。

もちろん工事が電車の運行に支障を与えないような計画づくりも大切です。業者さんも考えてくれるんですが、鉄道関係がものすごく詳しいわけではない。こちらが細かく鉄道会社のやり方を伝えていかないといけません。

その時は二十歳を少し過ぎたくらいでしたから、何から何まで先輩に聞きながらやりました。もちろん大変は大変なんですが、ふしぎと「しんどいなぁ」と思うことはなかったです。むしろ、ふだん点検では見ないところまで考えるのがおもしろくて、夢中になってやっていたかも。
なんの支障もなく工事が終わったときは、思わず「よくやった!自分」って、自分を褒めましたね(笑)。

鉄道電気部 滋賀事業所 2007年入社
後輩に教えるときは、どんなことに気をつけていますか?

作業の深い意味まで伝えたい。
その思いに応えてくれる後輩にうれしさも

私自身まだまだ知らないことがたくさんあるので、まだまだ修行中です。でも私の知っている知識は、できるだけ後輩に伝えようとがんばっています。
心がけているのは、表面的なことじゃなく、「なぜそれをするのか=作業の意味」を伝えること。
人間って、「なぜそれをするのか」を知らなかったら、「これはもういいか」って省いてしまったり、「なんでこんなことせなあかんねん」って思ってしまうこともありますから。

そのために後輩に、「これがどういう原理で動作してるのか、調べて俺に教えてくれへん?」って指示することもあります。名前は知っていても、詳しい原理までは知らないことが多いですから。
そうすると数日後にちゃんと、「先輩、調べてみたらこういう原理でした」って教えてくれる。そんなとき「ああ、しっかり学んでくれてるな」と、後輩の成長を感じてうれしくなりますね。

現場で緊張するぶん、事務所に帰ってきたら、気を抜いてリラックスすることもあります。そんなときは後輩に「彼女できたんか~」とか、「最近どうなん」とか話しかけたり。通勤の関係で、仕事の後に飲みに行くことはあまりないですが、チームとしては和気あいあいとした雰囲気です。

企業風土として上下関係がそれほど厳しくなく、アットホームな感じ。なので若手はなじみやすい職場だと思いますし、自分もかたくならず、楽しく仕事ができています。

京阪エンジニアリングサービスに
入社されたきっかけは?

兄のひとことが決め手に。
勉強ぎらいだった自分が変わった!

鉄道電気部 滋賀事業所 2007年入社

実は、私の兄が京阪電鉄で働いているんです。その関係で、京阪エンジニアリングサービスと仕事をすることがあるらしく、「仕事がしやすいから、きっといい会社なんだと思う」って勧めてくれたのがきっかけです。
高校の先生も「京阪のグループ会社なら安心やし、いい会社や」と勧めてくれたので、決めました。

学校の勉強は嫌いでしたが、働きだしてから知識が増えるのが楽しくなってきて、資格勉強にのめり込むように。今は年に1つ、資格を取るようにしてます。

はじめは表面しか見てなかったことも、後輩ができて「なぜ」というのを掘り下げるようになると、聞かれて「わからない」と答えるのが恥ずかしく思えてきたんです。
それに、ここではいろいろな業務をやっているので、それに合わせて資格も持っていたら、実践でその勉強が活きてくる。実際に現場で知識を活かせるということも、おもしろさにつながっていると思います。

同じ勉強でも、学生時代とはぜんぜん違うんですね。勉強ぎらいだったはずが、今こうして自分から進んでやってるなんて、昔の自分が見たらびっくりするだろうなって(笑)。
やってるうちに、第一種電気工事士や、消防設備士、危険物取扱者など、取得した資格は合わせて15件以上に。次は施工管理技士一級を取りたいと思って勉強しているところです。

鉄道電気部 滋賀事業所 2007年入社
最後に、「安全」についての考え方を聞かせてください

安全はすべてに優先する。
後輩たちに背中で伝えられるように

安全は絶対的なもの。すべてに優先するものだと思っています。これは私だけではなく全社的な考え方で、月に一度の職場の安全会議は、役員の方もみんな来てくださいますね。
この仕事は、平常時はあまり人目につきません。災害時とか、なにかトラブルがあったときばかり目についてしまう。だからこそ、ふだんの地道な検査作業が大切なんです。

後輩たちも仕事に慣れてくると、基本を忘れてしまうことがあります。後輩たちにそんな雰囲気を感じたときは、自分がキリッと締める役になろうと。自分の背中を見て学んでくれたらいいなと思っています。
全長21キロの線路を電車がしっかり走っているのを見るだけで、「がんばって良かったな」って気持ちがジワリとこみ上げてきますね。

休みの日は仕事のことは忘れて、のんびり過ごします。車で出かけたり、買い物したり。スノーボードが好きなので、冬は岐阜あたりのスキー場に出かけることも多いですね。
資格の勉強も、楽しみながらムリのない範囲でしているので、プライベートも充実しています!